議長
(河野洋平君) |
ただいまの発言に対して質疑の通告があります。順次これを許します。
谷本龍哉君。
〔谷本龍哉君登壇〕
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| 谷本龍哉君 |
自由民主党の谷本龍哉でございます。
本日は、自由民主党及び公明党を代表いたしまして、イラクに
おける邦人殺害事件に関する質問を、総理及び外務大臣に対
して行いたいと思います。(拍手)
初めに、前途にさまざまな希望を抱きながら、志半ばで亡くな
られました香田証生さんの御冥福を心からお祈りするとともに、
香田さんの御遺族、関係者の方々に対して、衷心からのお悔
やみを申し上げたいと思います。こうした犠牲を繰り返さない
ためにも、本日、質問に立たせていただきました。
それでは、まず、事件発生前の政府の対策について外務大臣
にお尋ねいたします。イラクにおいては、武装勢力による外国
人の誘拐・襲撃事件が相次いでおり、四月には五名の日本人
が誘拐され、五月には橋田さん、小川さんが殺害される事件が
ありました。このように、現在のイラクに民間人が入国すること
は危険な状況であると認識いたしますが、今回のような事件を
未然に防止するために、外務省は注意喚起などの十分な対策
を行ってきたのでしょうか。外務大臣の答弁を求めます。
次に、日本時間二十七日早朝に事件発生の第一報を受けた後、
政府として、関係国政府などに対してどのような働きかけを行っ
たのですか。例えば、四月の邦人人質事件の際に人質の解放
に当たって仲介役を果たしたと言われるイスラム聖職者協会に
は、仲介を依頼したのですか。外務大臣の答弁を求めます。
日本時間三十日午前四時に、高島外務報道官から、日本時間
の三十日未明に、イラクに駐留する米軍から在イラク大使館に
対し、バラドにおいて発見された遺体が香田さんの身体的特徴
と一致する部分があるとの連絡があり、政府として事実確認を
進めているとの発表がありました。しかしながら、十五時三十分
には官房長官が、クウェートに搬送された遺体を在クウェート大
使館の医務官が確認したところ、当該遺体は香田さんではない
ことがほぼ確認されたと発言をされました。
最終的に、十八時十分には高島外務報道官から、バラドで発見
された遺体は香田さんのものではないとの発表がありました。
このように、遺体に関する情報が錯綜し、二転三転いたしました
が、その正確な経緯について、改めて外務大臣に説明を求めます。
このように、三十日の遺体に関する情報は、結果的には米軍か
らの情報が間違っており、一時、政府の情勢認識が混乱したわ
けですが、政府の情報収集・管理体制について、問題点、改善
点があるのではないですか。外務大臣の見解をお聞かせください。
日本時間三十一日未明に、イラク保健大臣から在イラク大使に
対し、バグダッド市内で身元不明の遺体が発見された旨の連絡
があったそうですが、この遺体が香田さんの遺体であると、だれが、
どのような根拠で最終的に判断をしたのですか。外務大臣の答弁
を求めます。
御家族のことを考えますと、香田さんの御遺体が一刻も早く日本
に搬送され、御遺族のもとに戻ってほしい、そう思いますが、その
段取り、手続はどのようになっているのでしょうか。外務大臣の答
弁を求めます。
今回のような痛ましい事件は二度と繰り返されることがないよう、
最大限の努力が必要であると思います。現在もイラクにはジャー
ナリストなどの邦人が滞在していると承知しますが、こうした邦人
の安全をどのように確保するおつもりですか。また、今後もイラク
に渡航しようとする邦人の方がいないとは限らないと思いますが、
今回の痛ましい事件を踏まえ、今後こうした犠牲者を出さないた
めに、外務大臣としてどのような再発防止策を講じていくおつもり
でしょうか。答弁をお願いいたします。
次に、イラクにおける我が国の人道復興支援活動に対する現地
のイラク人の評価はどのようなものでありますか。町村外務大臣
の答弁を求めます。
最後に、総理にお尋ねします。
今回の事件は、政府挙げての解放に向けた努力にもかかわらず、
大変残念な結果となり、痛恨のきわみであります。御遺族の無念
は、思って余りあるものです。
他方、今回の事件があったからといって、イラク国民とテロリスト
とを混同して考えるべきではありません。テロリストの言葉とイラ
ク国民の声は、全く別のものであります。一般のイラク国民は、
平和を求めているはずです。彼らは、イラクの一日も早い復興、
安定に向け、国際社会からの支援を求めています。こうしたイラク
国民の声にこたえるためにも、政府として、イラクの一日も早い
復興、安定のために、自衛隊による人道復興支援活動を含めた
対イラク支援を引き続き継続するべきであると考えますが、総理
のお考えはいかがでしょうか。
また、現地時間十月三十一日夜に、イラクのサマワの宿営地に
ロケット弾が着弾したとのことでありますが、日本政府として、イ
ラク復興支援に取り組む自衛隊の安全確保に万全を期していた
だきたいと思います。ただ、サマワ周辺はイラクのほかの地域に
比べれば比較的安定をしており、このこと一つをとって直ちに戦
闘地域であるとは言えないと考えております。こういった脅威に
憶することなく、イラク復興支援をぜひとも着実に継続していただ
きたいとの要望を申し上げまして、私の質問を終わらせていただ
きます。(拍手)
〔内閣総理大臣小泉純一郎君登壇〕
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内閣総理大臣
(小泉純一郎君) |
谷本議員にお答えいたします。
香田さんがテロの犠牲になられたことに対しまして、心から哀悼
の意を表したいと思います。また、このような残虐な、非道な行
為に対しては、強い憤りを覚えるものでありまして、御家族の方
々に対しまして、心からお悔やみを申し上げたいと思います。
我が国のイラク支援についてでございますが、我が国といたしま
しては、今回の卑劣なテロの行為に屈することなく、引き続きイ
ラクの復興支援を続けていかなければならないと思っております。
なお、自衛隊のイラク派遣の基本計画では、派遣期間が本年十
二月十四日までとされておりますが、その後の対応については、
イラク復興の状況、また現地治安情勢等を総合的に検討して、
適切に判断してまいりたいと考えます。
残余の質問につきましては、関係大臣から答弁させます。(拍手)
〔国務大臣町村信孝君登壇〕
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国務大臣
(町村信孝君) |
谷本議員にお答えいたします。
まず、事件の発生を防ぐための対策についてのお尋ねがござ
いました。外務省としては、従来から、海外に渡航される邦人
の安全にとって適切な情報発信が極めて重要だと考えてまい
りました。ことしの四月の邦人拘束事件の教訓を踏まえて、
外務省としては、渡航情報の内容、ユーザーの拡大、さらには
発出の頻度について一層意を用いてきたところであります。
四月以降、誘拐、テロの脅威及び退避勧告について改めて注
意を促す速報も三十六回発出してまいりました。外務省として
は、イラクへの渡航が極めて危険であることについては、一層
広く周知されるに至ったものと考えております。以上のような措
置に加え、在ヨルダン大使館では、多くの邦人が利用するホテ
ルに対し、イラクの渡航情報の掲示を依頼しています。
さらには、イラクへの渡航を希望する邦人が来訪した際には、
大使館への連絡をお願いするとともに、ホテル関係者よりもイラ
クへの渡航を差し控えるよう説得するよう要請してきました。
以上のような情報発信面での努力と同時に、政府としては、個
人個人の方がみずからの安全を確保する上では、危険を十分
に認識し、みずからの判断に基づき、危険に遭遇しないよう行
動することが何よりも重要であると考えております。安全意識の
一層の強化のため、若年層を中心に啓発活動を一層強化して
おります。
次に、関係国政府等に対し、政府としてどのような働きかけを
行ったかについてのお尋ねがありました。二十七日に本件事件
発生の情報を得て以降、関係国の首相、外相等に対して、関連
情報の提供及び人質の解放について、私自身、直接依頼する
ことを含めての協力、助言を要請いたしました。なお、イスラム
聖職者協会といった個別の組織との連絡については、関係者の
安全及び今後発生し得る事件の解決の障害となるおそれがある
ことから、その具体の内容を明らかにすることは差し控えさせて
いただきます。
次に、遺体に関する確認についてのお尋ねでございます。日本
時間十月三十日未明に、イラク駐留米軍より、バラドで日本人ら
しい遺体が発見されたとの連絡を受け、政府は、米側と連携しつ
つ全力でその事実確認に努めましたが、これは、あくまでも、そ
の遺体が香田さんである可能性について、適切かつ可能な方法
で事実関係の確認を行ったものであります。その結果として、日
米間で調整の上、最終的にクウェートにて在クウェート大使館の
医務官が確認を行い、日本人のものでないと確認したものであり
ます。政府としては、この間一貫して、遺体を香田氏のものと断
定したことはございません。この点、三十日、官房長官も、香田
氏の遺体である可能性は、全くわからない、即断してはいけない
と明言しているとおりであります。
次に、政府の情報収集・管理体制の問題点、改善点についての
お尋ねであります。外務省は、本事件発生以来、情報収集、事実
関係の確認のためにあらゆる努力を尽くしてきました。何らかの具
体的な情報があった場合には慎重に事実関係の確認を行うという
方針で対応してきました。御指摘の三十日の遺体の情報について
も、イラク駐留米軍から香田さんの可能性があるとの情報を受けて、
あくまでも、その可能性について、適切かつ可能な方法で事実関
係の確認を行っていたものであります。その結果として、日米間で
調整の上、クウェートにて在クウェート日本大使館の医務官が確認
を行い、日本人のものではないと確認したものであります。
このような政府の対応に問題があったものとは考えておりません
けれども、今後とも、特定の情報に関して、事実関係を慎重に確認
し、万全を尽くしていかなければならないと考えております。
次に、香田氏の遺体であると判断した根拠についてのお尋ねでご
ざいますけれども、在イラク大使館の警備関係者が、遺体が収容
された施設に赴き、遺体の指紋その他の身体的特徴に関する情
報を収集し、それを在イラク大使館から外務省に伝送の上、外務
省対策本部において警察庁とも綿密に連携し、政府としてこれら
を総合的に判断したものであります。指紋の同一性については、
警察庁の専門家の意見を踏まえたことは言うまでもございません。
次に、御遺体の搬送についてのお尋ねがございましたが、香田証生
氏の御遺体を乗せた米軍機が無事にクウェートに、本日、日本時間
の十一時二十五分に到着したとの知らせが、つい先ほど入りました。
クウェートから日本へのフライト日程につきましては、現地にいる谷川
副大臣がクウェート側と調整を行いつつあるところでございます。
次に、イラクにいる邦人の安全をどのように確保するのかとのお尋ね
でございますが、政府の対応については先ほど答弁いたしました。
政府としては、イラクへの渡航に関してはどのような目的であれ見合
わせるよう、また、同国に滞在している方については安全な方法で
直ちに退避するよう、改めて注意喚起を行ったところでございます。
最後に、我が国の対イラク人道復興支援に対する評価についてのお
尋ねでございます。我が国は、これまで、自衛隊による人的貢献と
ODAによる支援を車の両輪として進めており、暫定政府のヤーウェル
大統領、アラウィ首相、ハッサーニ・ムサンナ県知事等からも、我が国
のこのような貢献に対して謝意が表明されております。また、自衛隊
の派遣については、十月二十四日、小泉総理は、自衛隊の駐留継続
を要請するアラウィ首相からの書簡を受領しているところでございます。
以上であります。(拍手)
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