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委員会発言集

第159回国会 衆議院
 外務委員会議録  第十七号


平成16年5月25日(火曜日) 午後三時九分開議

 ===== 谷本代議士の質疑応答部分(16分)を抜粋しています。 =====

米澤委員長 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。
谷本龍哉君。
谷本委員 自由民主党の谷本龍哉でございます。
十五分間ですが、質問をさせていただきたいと思います。

まず一問目に、先ほど衆議院の本会議でも質疑が行われました
が、答弁は総理でございましたので、外務大臣に拉致被害者の
御家族が帰られたことについて、一問だけ御見解を伺いたいと
思います。実は二十二日、ちょうど私は仕事の関係で北海道の
方に行っておりまして、そこでテレビで状況を見ました。その直後、
私の友人や知人から何人か電話がありました。その電話は、実
は少し怒ったような電話でした。

それは何に対して怒っているかといいますと、なぜテレビでは
あんなに批判ばかりするんだと。五人しか帰れなかったことは
確かに残念だけれども、それでも今まで長い間何もできなかった、
その後、小泉総理になってから拉致被害者が戻り、そしてその
家族が今回、五人ですけれども、帰られた。一歩ずつ前進して
いることに対して、やはりしっかりした評価をなぜみんなしないんだ、
こういう怒りの電話が何本か入りました。

当然私の支持者であったり友人でありますから、そちら側の立場
からの意見になったのかもしれませんが、その後、新聞等の世論
調査を見れば、やはり六割を超える国民がこのことについて評価を
している。これは完全に解決をしたわけではありませんから、不十
分な点があるのは当たり前でありますし、足りないところを非難する
あるいは批判する方たちがいることも、これは悪いことではなくて
当然であり、それを真摯に受けとめて次にどうつなげるかということ
は大事ではありますけれども、少なくとも一歩ずつ、あるいは半歩
でも進んでいく、これが一番大事であり、特に通常の外交の常識
あるいは国際関係の常識がなかなか通用しにくい独裁国家という
国を相手にする場合には、予定どおりに進まないことも多々あると
思います。

私は極端な言い方かもしれませんが、一人でも取り返せるので
あれば、何度でも総理は行って交渉してくるべきだ、このように
個人的には考えておりますが、外務大臣の御見解をお伺いいた
したいと思います。
川口国務大臣

今回総理は、北朝鮮に行かれることについて、非常な使命感と
いいますか、信念を持って行かれたというふうに私は考えており
ます。

これは拉致の問題もそうでございますし、核の問題もそうだという
ふうに思っています。御家族のうち、八人のうち五人の方が戻ら
れた、このことについては私はほっと安堵の感じも持っております
けれども、同時に、御家族が日本に来ることに希望を持っていたと
いう意味では、曽我ひとみさんもそうですし、それからほかの方々
も同じような気持ちを持っていたわけでいらっしゃいますから、その
残念な失望感ということは本当に痛いほどよく私としては理解を
いたします。そういう意味で、残った問題について、政府として引き
続き全力で取り組んでいかなければいけないというふうに考えて
おります。

その内容ということは、すなわち曽我ひとみさん、この第三国に
おける再会について、政府として早速取り組んでおりまして、これ
をきちんとした形で実現していくという事が大事であるというふうに
考えております。それから、十人の安否がわからない方々、この
方々について、金正日総書記・国防委員長が本格的な再調査を
できるだけ早くやるということを言われたわけでして、これをやって
いくことを我が国としてもプッシュしていくということが大事であると
いうふうに思っております。

それから、今後さらに拉致の被害者であるということが警察によって
認定をされるということがありましたら、これらの方々についても当
然含められていく、含んでいるということは、これは以前から北朝鮮
に向けて言っていることでございます。

今、委員がおっしゃっていただきましたように、まだまだやらなければ
いけないこと、重要なことが残っているわけですけれども、今までの
いろいろな流れの中で、総理の訪朝というのは物事について一定の
前進をもたらしたというふうに私は考えております。それは、迎えに
来なければ帰さないと言っていたのに対して五人の方が帰っていらし
たということでもございますし、それから、拉致の問題はもう解決済み
だと言って、ずっと言い張っていたのに、総理が粘り強く働きかけた
ことによって、本格的な早期再調査を行うということを、金正日総書
記がみずから自分の口でそういうことを言われているということでも
ございます。

また、核の点について、御質問には入っておりませんでしたけれ
ども、それについても一定の前進と評価できるということがあったと
いうふうに私は思っております。
そういう意味で、総理は非常な使命感を持ってこのことに当たられ
たというふうに私は考えております。

谷本委員 ありがとうございました。
この問題については、やれることは何でも、とにかくあらゆる手段を
尽くして少しでも結果を出すという形で、ぜひとも全力で今後とも
頑張っていただきたいというふうに思います。

質問をがらっと変えますが、本来用意していた質問で、時間が少なく
なりましたので飛ばす所があるかもしれませんが、キューバの問題
について少し伺いたいと思います。
大臣、キューバは訪問されたことはございますか。
川口国務大臣 関心を持っている国の一つではございますけれども、今まで残念
ながら訪問したことはございません。
谷本委員 実はいろいろなつながりがありまして、一昨年九月に四日間ほど
キューバに、同僚の若い議員ばかり七名で訪問してまいりました。
そして、そこで、ポスト・カストロと言われているようないろいろな政治
家の方々と四日間を費やしてお話をしてまいりました。以来、交流を
保っているんですけれども、このキューバと、当然のことで確認事項
ですけれども、キューバは独立国であり、なおかつ日本と国交があ
る、こういうとらえ方でよろしいでしょうか。
川口国務大臣 結構でございます。
谷本委員 このキューバに対しまして、一九五九年にキューバ革命があり、
それ以降、アメリカ合衆国が経済的制裁を四十五年にわたり続け
ている、これは事実であります。
それぞれの国の対応でございますので、日本からどうということは
ないのかもしれませんが、一点、一九九六年に、クリントン大統領
の時代にヘルムズ・バートン法というものが制定をされました。
これについて、簡単にわかりやすく説明をしてください。
坂場
政府参考人
手短にお答え申し上げます。
ヘルムズ・バートン法、いわゆるキューバ自由・民主的連帯法で
ございますけれども、米国議会におきまして、キューバにおける
自由、公正な選挙の実施、民主的政権への移行を支援するという
こと、またキューバにより革命後接収された資産に対するアメリカ
国民の権利を保護するという目的でございますが、特に第三章、
四章におきまして、革命後キューバ政府が接収した米国民資産
に対して取引をした者につきましては損害賠償の責任があるという
こと、あるいはそうした取引をした外国人に対する米国の査証発給
あるいは米国への入国を拒否するといったことを定めてございます。
谷本委員 大臣、このヘルムズ・バートン法に対しまして、国際社会あるいは
日本の反応というものはどういうふうに御理解をされていますか。
川口国務大臣 これでございますけれども、我が国を初めとして、カナダですとか
EUですとか、そういった国々が、このヘルムズ・バートン法に基
づく国際制裁の中には、国内法の域外適用であるという部分、
そういうふうに当たると考えられるおそれがあるものが含まれて
いるということと、WTOの精神に照らして懸念があるのではない
かということがございまして、我が国はそういった考え方を、見方
をいたしております。この旨については、米国にも伝えてきている
わけでございます。
谷本委員 ある意味では、これは第三国に対する主権侵害にも当たるんでは
ないかというような法律だというふうに理解をしておりますが、それ
に対し、そういうものはいけないという対応を国際社会も日本もした
ということは、私は正しい対応であったというふうに思っております。
同時に、これに関連をしまして、米国によるキューバに対する経済
制裁終了の必要性に関する国連総会決議というものがありました
が、これに対する日本の対応の御説明をお願いします。
坂場
政府参考人
お答え申し上げます。
我が国は、米国の対キューバ経済政策といったものは、第一義
的には米国とキューバの二国間の問題だというふうに考えており
ますけれども、この九六年のヘルムズ・バートン法の適用というも
のは、国際法上許容されない国内法の域外適用等の問題がある、
今大臣がお答えしたとおりでございますが、そういう状況を踏まえ
まして、我が国は、昨年の十一月の四日でございますけれども、
第五十八回国連総会において採択されましたただいま御指摘の
決議について、我が国は賛成票を投じてございます。
谷本委員 このことに対しましては、キューバの外務大臣あるいは外務次官
からも、日本が賛成をしてくれたということで感謝の意を表されて
おりました。
そこで、そういった一連の流れがある中で、ことしの五月六日、
ほんの二十日ほど前ですが、米国の自由なキューバを援助する
委員会、これはパウエル国務長官が委員長を務められておりま
すが、この委員会が報告書を、約五百ページに及ぶ報告書です
が、これを提出されたと聞いていますが、これについての簡単な
説明をお願いします。
坂場
政府参考人
お答え申し上げます。
ただいまの報告書といいますのは、五月の六日、今月でござい
ますが、パウエル国務長官を委員長とする自由なキューバを援助
する委員会というものが、ブッシュ大統領に対しまして、キューバ
の自由化を支援するための勧告という形で報告を提出したもので
ございます。

この報告書の中身でございますが、制裁を強化するという趣旨に
立ちまして、キューバの独裁体制の終了を早めるということを目的
とし、反体制活動家の支援等のために、今後二年間、最大五千
九百万ドルの支出を行うということ。あるいは、米国からキューバ
への送金を規制する、これをさらに強化して、キューバ政府機関
の構成員には送金ができないようにするということ。
あるいは、キューバへの渡航でございます。これは、在米のキュ
ーバ人によるキューバへの渡航、いわゆる里帰りでございますが、
これについては、従来一年に一回というものを三年に一回とする
といった内容でございます。
谷本委員 キューバという国は、先ほど確認させていただいたとおり独立国
でありますし、また、最近、テロというものが問題になる中でも
国際社会の脅威になっているわけでもありませんし、また、具体
的なテロ活動というものがあったわけでもありません。そういう国
に対し、いろいろな意味で内政干渉に値するようなことを行うとい
うことは、私はやはり国際社会で余り簡単に認めていいことでは
ないと思います。
このことに対し、日本政府として、大臣としてどのような考えをお
持ちか、お聞かせください。
川口国務大臣 これは、先ほど局長から申しましたように、勧告でございます
ので、その勧告を受けて米国政府としてどのような対応をとるか
ということはまだわかっていないということでございます。
我が国として、今後、それについて事態の進展、推移を注視して
いきたいというふうに思っております。

基本的な考え方といたしまして、米国とキューバの間には非常に
長くて複雑な関係があるわけでございます。我が国といたしまして、
キューバが、人権の状況が改善をし、民主化をし、経済改革を進
め、そういった中で、米国、キューバ両方の友人でございますから、
両国の関係が改善をしていくという状況になることを期待している
ということでございます。
谷本委員 日本はキューバとアメリカ合衆国、両方の友人であるという外務
大臣の言葉を信じまして、もし何か国際社会において、日本が、
人権侵害という国内の問題もありますけれども、外部からやはり
内政干渉するということも、これはある意味では他国から、アメリカ
からキューバへの人権侵害という問題にもなり得る今回のこの
報告書だと私は個人的には思っております。

大臣の今の言葉を信じまして、そういった実際の事態に陥らない
ような努力を日本政府としてしていただけることをお願い申し上げ
まして、質問を終わらせていただきます。
どうもありがとうございました。

 

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