第156回国会 衆議院
憲法調査会会議録 第五号
平成15年3月27日(木曜日) 午前九時一分開議
===== 谷本代議士の質疑応答部分(15分)を抜粋しています。 =====
| 中山会長 |
これより、労働基本権について、公務員制度改革及び男女共同
参画の視点から自由討議を行います。
まず、谷本龍哉君。
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| 谷本委員 |
自由民主党の谷本龍哉でございます。
私は、労働基本権を公務員制度改革という視点それから男女
共同参画という視点、この二つの視点から議論するに当たり、
それぞれ次の点を申し述べたいと思います。
まず、公務員制度改革の視点からの労働基本権の議論ですが、
これは、一方には憲法二十八条の要請、そしてもう一方には憲
法四十一条及び憲法八十三条の要請、この両者のバランスを
どうとるかということを議論すべきであると考えます。
まず、憲法二十八条では、労働基本権はすべての勤労者に保
障されるものであること、そしてこの勤労者には公務員も含まれ
るとするのが慣例、通説であります。この点から導けば、団結権、
団体交渉権そして争議権も公務員にも認められるべきではない
かというふうになります。
しかしながら、一方において、憲法四十一条は、国民の代表者
から構成される国会が唯一の立法機関であることを定め、また
憲法八十三条は、財政民主主義、つまり「国の財政を処理する
権限は、国会の議決に基いて、これを行使しなければならない。」
というふうに定めております。ここから、公務員の使用者は政府
ではなくて主権者たる国民自身であること、したがって、公務員
の労働条件は国民の意思を代表する国会が決すべきであって、
政府には本来決定権がなく、公務員と政府の間に団体交渉権
はあり得ない、そういういわゆる主権理論が導かれ、公務員が
労働条件に関して労働基本権を行使することは民主主義の決
定過程をゆがめることになるのではないかという疑問が浮かび
ます。
それでは、この両者のバランスをどこでとればよいのか。現行の
公務員制度は、勤務条件の法定主義に加えて、代償措置たる
人事院制度を設けることによってこのバランスをとろうとしている
ことは周知のとおりでございます。そして、今回の公務員制度
改革においては、能力主義、新人事制度などの導入が検討さ
れており、一方では人事院の権限を各省大臣に移すことにつ
いても検討が行われております。その是非も踏まえ、両者の
バランスをどこでとるかということについて、より十分な議論が
必要であると考えます。
次に、男女共同参画の視点から労働基本権を議論するに当た
りまして、雇用の場において男女共同参画をどのように実現し
ていくかの手法について議論する必要があると考えます。
男女平等という場合の、この平等という言葉には二つの意味
があると思います。一つは結果の平等であり、そしてもう一つ
は機会の平等であります。
例えば、国によっては、議会において一定数の議席を女性に
割り当てるクオータ制というものをとっているところもありますが、
これは結果の平等を重視する手法と言えます。しかし一方で、
アメリカにおいて、従業員の採用に際し人種などの強制的な
採用枠を設けている企業が、逆に機会の平等を害された、逆
差別だとして訴訟を提起された、こういう事例も耳にいたします。
我が国において、雇用の場における男女共同参画を実現する
ためには、ある程度強引であっても結果の平等を推し進めるべ
きなのか、それとも機会の平等の観点から、男女共同参画の
実現を促進するための環境整備、制度づくりに重点を置いて
行うといった手法が適しているのか。私は、個人的には、当然
機会の平等というものを原則としながら結果の平等に少しだけ
踏み出した政策をとらなければ、なかなか男女共同参画は進
まないというふうに考えますが、このバランスについても十分な
議論をする必要があると考えます。 以上です。 |
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