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委員会発言集

第154回国会 衆議院
 総務委員会議録 第三号


平成14年3月5日(火曜日) 午前10時00分開議

 ===== 谷本代議士の質疑応答部分(30分)を抜粋しています。 =====

平林委員長 次に、谷本龍哉君。
谷本委員 自由民主党の谷本龍哉でございます。質問をさせていただきたいと思います。  

他の委員と少し重なる部分もあるかもしれませんが、御容赦をいただきまして、通告と少し順番を変えますが、一問目に、沖縄における金融特別地区の点について聞かせていただきたいと思います。  

ことしの四月施行される沖縄振興特別措置法、これによりまして、名護市が金融業の特別地区ということで、国内で初めて特別地区ができることになります。地方税関連としましては特別土地保有税が非課税になるというふうに伺っておりますが、そのほかにも、法人所得の方を十年間三五%控除する、そういった特別措置が行われると聞いております。  

これは、今回、普天間飛行場が、この名護に代替空港ができるというふうに決まったことをある意味では受けて、こういう特別な取り扱いをするという点があるかもしれませんけれども、私自身は、この特別地区という構想を以前から少し勉強をしておりまして、これからの日本の地域振興策を考えたときに、この特別地区構想というのは真剣に検討していく価値があるんじゃないか、そういうふうに実は思っております。  

といいますのは、今まで我が国は、国土の均衡ある発展、こういう理念のもとにいろいろな政策を進めてきたわけですが、誤解を恐れず言えば、今この理念というのは非常に行き詰まっている。この理念を基礎に置いていると、この日本の社会というのは今の困難な状況をなかなか乗り越えられないんじゃないか。言い方を間違えるといけないんですけれども、逆に不均衡の容認、つまり、これは弱者を切り捨てるという意味ではなくて、同じようなモデルをつくって各地域をそれに合わせていくという発想ではなくて、やはりそれぞれの地域がそれぞれのモデルをつくってそこに向かって発展をしていく、これはある意味で地方分権とつながるわけですけれども、こういう発想に考え直さないといけないんじゃないか、そういうふうに実は考えております。  

そういう中で、この特別地区構想、税制と規制緩和というものをうまく組み合わせた中でいろいろなモデルが考えられるんじゃないか。例えば、私の地元の方では、今、公立学校の教育に対して非常に不安を持っているために、みんなが私立へ私立へ行こうとする傾向があります。これは地域によっていろいろ違うとは思いますけれども、それは、以前のように進学校に行かせたいということではなくて、その学校における生活環境というものを、子供を取り巻く生活環境を心配して、私立の方がその辺がしっかりしている、公立はちょっとその辺が心配だというような親がふえております。  

そういう場合に、例えば、教育特区というのをつくって、今文部科学省が必死になってやろうとしている教育改革を前倒し、あるいはそれよりさらに厳しい基準をつくった中で、うちの地域だけはしっかりとした教育をするんだ、そういった地域をつくれば、そこに例えばテレワーク、在宅勤務なんかの制度とうまく組み合わせれば、いろいろな地域から人が移り住んでくる、これは単純なモデルですけれども、そういったものが考えられるんじゃないか。あるいは、電波特区や環境特区といったいろいろなパターンが考えられるんではないかというふうに思っております。  

当然、これをどこでもやっていいというわけではなくて、それは基準をつくって、人口が減少していく局面にある地域において、いろいろな基準をクリアしたところが可能になるというような形で考えていくべきではないか。今回、沖縄が、名護市がそういう形になりましたけれども、沖縄に限らず、同じように苦しんでいる地域は地方にはたくさんございます。そういうところにこういうアイデアを導入できないものかというふうに考えております。  

当然、この考え方には、これは一国二制度になるんではないかとか、あるいは本則の方が空洞化してしまうんじゃないかと、いろいろな批判もあるとは思います。総務大臣に伺いたいんですけれども、当然これは、財務省とか経済産業省とか、さっきの例でいえば文部科学省であるとか、いろいろな他省庁ともかかわる問題ですから、簡単には答えられないとは思いますが、これからの日本の地方の振興というものを考えた上で、この特別地区というものの構想についてどういったお考えをお持ちであるか、伺いたいと思います。
片山
国務大臣

去年の八月、私も沖縄に参りまして、沖縄の稲嶺知事からは、沖縄をIT特区にしてくれ、こういう話がありましたね。IT産業の集中立地をしたいと。それから、名護市に行きましたら、名護の市長さんは、この金融特区をと。これはイギリスにあるんですね、この金融特区は。これは大変成功しているんです。ただ、今、私、資料をちょっと、何かあるんですが、間違ったことを国会で言っちゃいけませんから、また調べて言いますけれども、イギリスは大変成功しているんですね。そこで、税制改正のときにそれが大変な議論になりまして、沖縄の特殊性あるいは名護市の置かれた地位等を考えて、金融特区構想が制度化されたんですね。  

国税、地方税をまけるということです。委員が言われたとおりです、国税も地方税も。地方税の場合には、特別土地保有税は免税ですけれども、その他の、事業税、不動産取得税、固定資産税等を減免した場合には交付税で減収補てんをやる、こういうことですね。法人税は、所得控除三五%、十年間。投資税額控除、機械・装置、備品・器具が一五%の税額控除。地方税は、特別土地保有税の非課税と、事業税、不動産取得税、固定資産税を不均一課税にしたり減免した場合には五年間補てんする、こういうことなんです。  

私は、委員が言われたように、この国は今までは均衡ある発展だったんです、これからは個性ある発展なんですね、そういう意味では、この特区構想というのも一つのあれだと思いますが、これまた委員言われましたように、一国二制度、三制度になるというのが国としての安定性からいっていかがかな、こういう議論もありまして、金融特区があっちこっちにいっぱいできたり、教育特区がもう至るところにできる、これまた一国の制度としていかがかなということがありますから、金融特区はこれが一つのスタートでございますけれども、この状況を見ながら、その他の特区あるいは金融特区をふやすことについても私は検討していくべきではないかと。  

IT特区構想は、いろいろな県や市町村から私のところにも要望が来ております。そういうことを踏まえて、今後十分検討させていただきたいと思います。

谷本委員 ぜひ前向きな検討をしていただきたいと思います。  
かつて、ある地方の首長だったと思いますが、地方から国に対して魚をくれと言っているのではない、釣りざおが欲しいんだという発言がたしかあったかと思いますが、予算をいただいてどうこうというよりも、努力をしてその地域が自分たちで経済を育てていく、そういう手段が欲しいというのが、本当に地域を活性化させる大きなポイントになると思いますので、ぜひ検討していただきたいです。  

また、大臣、今イギリスという例を言われましたけれども、私の知っている例では、アイルランドのダブリンが金融特区ということで、イギリスの方もどうか僕はちょっとわかっていないのですけれども、アイルランドのダブリンは金融特区で非常に成功して、地域だけではなくて国の経済を引っ張っている、牽引役となっているという例もありますので、地域、国両方の経済面で、言われたようにどこもかしこも特区ではおかしくなりますけれども、ぜひ十分に検討していただきたいなというふうに思っております。  

特区構想についてはそれだけですが、次に、地方の行財政について質問したいと思います。  

これはよく言われていることですが、日本の長期債務残高は、昨年はたしか六百六十六兆円。昔、オーメンというホラー映画がはやりましたけれども、そこで六、六、六というのはけものの数字ということで非常に不吉な数字だと言われたわけですけれども、それがさらにこの平成十四年時点で国、地方合わせて今約六百九十三兆円。

地方だけを見ましても、今百九十五兆円の債務残高がございます。その中で、年間のこれに対する返済というのが一年間で今九・六兆円ございます。これを単純に計算をしてみますと、一時間で十一億円。ということは、私のきょうの質問が三十分ですから、この間にも五億五千万円返済をしている、イメージ的な話ですけれども。この状態を見れば、財政の立て直し、これが急務であることは国も地方も明らかな状態にあるわけです。  

そういう状況の中で、先般新聞報道を見ておりますと、各都道府県の当初予算案、これがすべて出そろいました。それを見ますと、全体として総額で三・八%減。これは、国の一般会計当初予算案が一・七%減ですし、先ほども話に出ました地方財政計画におきましては一・九%減というふうになっておりましたが、それをはるかに上回る削減幅である。こういった財政の立て直しという中で、超緊縮予算を各都道府県が組んできたのかなというふうに思いますが、このことについて、総務省はこの状況をどういうふうに判断されているのか、お答え願いたいと思います。

政府参考人
御質問の各都道府県の当初予算案についてでございますが、私ども、まだ総務省として正式に調査をいたしているわけではありませんが、先ほどの新聞等によりまして各県の当初予算の状況が報道されておるのを承知いたしております。  

これを見てみますと、各県におかれましては、平成十四年度の地方財政計画等を参考としながら、各地域における現下の経済動向あるいは歳入の状況等を踏まえて編成されたものでありますけれども、全体的に地方財政の厳しい状況を反映しているものではないかと思っております。  

平成十四年度の地方財政計画は、極めて厳しい地方財政の状況を踏まえまして、再三大臣からもお答えを申し上げておりますが、歳出面におきましては、徹底した見直しを行うことによりまして歳出総額を抑制する。また、歳入面でも、大変厳しい状況にありましたけれども、財源不足につきましては地方財政の運営上支障が生じないよう対処して、適切な補てん措置を講じたところでありますが、その規模は前年度に比しまして一・九%の減という形になっているわけであります。  

地方財政は、景気の低迷による地方税収の落ち込みや公債費等の義務的経費の増嵩によりまして、全体的にも極めて厳しい状況にございますが、個別の地方団体におかれましてもこのような財政の厳しさは共通しておられるのではないかと思います。

そういう中で、この当初予算の編成に当たりましては、各県ではいろいろと工夫をなさっておられるわけでありまして、いろいろな面で行財政の見直し、行政改革を推進しながら財政の健全化に努めるという目標も置かれまして、限られた財源の効率的、重点的な活用に工夫されながら当初予算を編成されたものと私ども理解をいたしております。  

大変厳しい中ではありますが、いろいろとお聞きをしてみますと、各地方団体は、そういう中であるからこそ、地域経済の振興や雇用の安定を図りながら、地域で必要な社会資本の整備あるいは総合的な地域福祉施策の充実等、地域の重要な課題には積極的に取り組むような工夫もされておられます。  

私どもといたしましては、平成十四年度の各種の地方財政対策を考えておりますので、これらを活用しながら、必要な事業、特に地域の活性化に必要な事業等につきましては積極的な財政運営をお願いしてまいりたい、こういうふうにも考えているところでございます。     

〔委員長退席、荒井(広)委員長代理着席〕
谷本委員 わかりました。  
債務がふえない状況で予算がふえれば一番いいことなんでしょうけれども、この三・八%の減という中には工夫して減らした分もあるであろうというような回答であったと思いますが、これも新聞報道ですが、わずかに愛知県と大阪府だけがプラス、あとはすべてマイナスの予算であった。これを何とか早く立て直さないといけないなというふうには思っております。  

その財政状況を改善していくという中で、当然行政改革というものが必要になってくるわけですけれども、我々国会議員が来年度一年間歳費を一〇%カットするという話がございます。これは若い政治家としては非常に厳しいことなんですけれども、甘んじてというか、進んでこれには応じようと。ただ、国会議員一〇%カットだけでは、総額では借金に比べれば本当に微々たるものではないか。個人的には、どうせするのであれば、国家公務員、地方公務員全員一割をカットすればかなりの額の節約になるのではないかと思いますが、そういうことを言うと嫌われますので強くは主張いたしません。どちらにしても、国とともに地方も行政改革というものを急いでやらないといけないという状況にあると思います。  

そこで、平成九年十一月に示されました地方の行革推進の指針におきましては、数値目標を設定する、取り組み内容を充実させる、そして住民に対しこれをオープンにする、こういった指針が、約五年前、四年少し前ですが、示されておりますけれども、その後、この四年数カ月たった段階で各地方公共団体の行革がどういうふうに進んでいるのか、どのように把握されているか、総務省の方の見解を伺いたいと思います。
芳山
政府参考人
ただいま御指摘がありましたけれども、平成九年に地方行政改革の指針を策定しまして、具体的な数値目標を定める、住民にオープンにするという形で行政改革大綱の見直し等の取り組みを地方団体に要請してきております。  

具体的に、地方公共団体におきましては、定員管理、給与の適正化への取り組み、また組織、機構の見直しなどとともに、事務事業の見直しなど行政評価システムの導入などの新しい行政改革手法への取り組みも積極的に取り組まれているというぐあいに理解をしております。  

具体的に申し上げますと、地方公務員数でございますが、平成十三年四月一日現在で三百十七万でございまして、対前年度比で三万三千人の減少ということで、平成七年から七年連続して減少をしております。また、給与でございますが、十三年四月一日現在の地方公務員の給与水準は全地方団体で一〇〇・五でございまして、二十七年連続して低下をしております。  

そのほか、都道府県の部局数の推移につきましても、平成十二年度現在で三百五十二ということで、平成九年度に比較して二十七の部局が減少しております。また、そのほか、今先生御指摘がありました給与の抑制措置についても、三役を含めて、また職員を含めての給与抑制措置も地方団体においてはとられておるところもございます。  

そういうことで、厳しい財政状況の中で、住民ニーズに的確にこたえられる簡素で効率的な地方行政体制が推進されますように、引き続き情報の提供等を行いまして、地方団体の自主的な行政改革の促進が図られますように、我々としても取り組んでまいりたいというぐあいに考えております。     

〔荒井(広)委員長代理退席、委員長着席〕
谷本委員 我々国政に携わる者がしっかりと行政改革を進める、それは当然のことでありますが、同時に、有権者、国民にとっては最も身近な地方自治体、こういうものに対する目も非常に厳しいものがあると思います。その辺もしっかりと進めていただきたいと思います。  

続きまして、この行政改革を進めていく上では、当然、一律に何でもカットをしていいというものではないと思います。何を削るか、あるいは中には、何を守り、伸ばしていくか、こういう判断が必ずなくてはならないと思います。こういう各政策に対する行政評価、これに対して各地方公共団体がどのように取り組んでいられるのか、どう把握されているかをお答え願いたいと思います。
若松副大臣 委員の御質問でございますが、特にこの行政評価の手法につきましては、アメリカのGPRAとかイギリスのとか、さまざまな国があるわけでありますが、今、日本の、国はもとより地方公共団体も、特にこの行政評価という観点から、例えば住民に対する説明責任の徹底、効率的で質の高い行政の実現、成果重視の行政サービスの確立、こういった形で行政運営の質を高める大変有効な手段として注目されていると理解しております。  

そこで、平成十三年七月末現在、都道府県では四十三団体がこの行政評価手法を導入済みまたは試行中ということでありまして、導入を検討しているものも合わせますと、ほとんどの都道府県でこの行政評価の導入に取り組んでいる、そう理解しております。また、政令指定都市につきましては、すべての団体で導入済みまたは試行中ということであります。  

また、市町村の行政評価の取り組み状況ですが、まず、導入済みとする団体は百五十団体、約五%です。試行中とする団体は百四十団体、四%、そして導入を検討中という団体は千五百十九団体、四七%ありまして、合わせて過半数の市町村、約五六%が何らかの形でその取り組みを積極的に行っていると把握しております。  

今後とも、この行政評価の導入でありますが、この行政評価制度も、いわゆるニュー・パブリック・マネジメント、そういった観点からどう位置づけていくのか、これは日進月歩の世界でありまして、総務省としてもこの地方公共団体の行政評価導入を積極的に進めていきたい、そのように考えております。
谷本委員 ありがとうございました。  
本来、どの政策が一番重要であるか、そういうことは議員が議論をして決めることではあるんですが、どうしても、決めるまではしっかりと見ておりますけれども、それが決まった後、進んでいく段階ではなかなか評価がされにくいのが実情でありますので、その辺をしっかりと総務省の方からも指導していっていただきたいと思います。  

時間が余りありませんので次に行きますが、次は、先ほども他の委員からも質問がありましたが、税源の移譲の問題について少し伺いたいと思います。  

平成七年に地方分権推進法が成立してから、地方分権についてはさまざまな議論がなされてきていると思います。当然、各地方自治体間の格差の是正というのは重要なことではありますけれども、それが行き過ぎることで、これはもう既に議論されていることですが、地方における行政のサービスと自分たちが納める税金との関連、関係性というものに対して非常に意識が薄くなってしまっている。あるいは、地方の方がなかなか、政策の優先順位をつける場合に、本当に必要なものからという優先順位よりも、予算のとりやすいものからというような、そういう問題点、いろいろ出てきていると思います。  

先ほど言った地方分権推進法六条においては、地方税財源を充実確保する、それが国の義務であるというふうに明記されております。権限を移譲していくのは当然でありますが、同時に税源を移していかなければ実質的には地方が機能しないという状況があるとは思いますが、先ほど一問目に言った特別地区構想とも似ておりますが、全国一律横並びという政策ではなくて、しっかりと地方の特色を生かしていくためには、ぜひともこの税源移譲というものを進めていくべきだと思います。大臣の御所見を伺いたいと思います。
片山
国務大臣
言われるとおり、地方分権一括推進法でかなりな事務権限の移譲が行われ、国の関与はかなり縮小いたしましたが、それを裏打ちする税財源の配分が少ないというのが、今、地方六団体等の不満でございまして、できるだけこれは早急に解消していくということが私は正しい方向だと思います。  

また、今谷本委員が言われましたように、負担とサービスというのか、給付が乖離しているというのが一番いかぬのですね。だから、今は地方が中心に仕事をやっておりますが、できるだけ今の四割を、四〇を、五〇あるいはそれ以上にふやしていく方向でこれから議論を重ねていく、それを実現を図っていくということがどうしても必要だと思います。  

税源移譲については、さらに頑張ってまいりたいと思っております。
谷本委員

ぜひ、その点を早急に進めていっていただきたいと思います。  
次に、都道府県の税源という問題の中で、基幹税となるのは、地方においてはやはり法人事業税でございます。法人事業税をめぐる議論として、昨年末、外形標準課税の問題が非常に大きな、また激しい議論になったと思います。私もその議論の輪の中にいていろいろな意見は言わせていただいたわけであります。先ほどの他の委員の質問に対する答えの中にも既にありましたが、今回は導入という話ではありませんでしたけれども、昨年十二月の平成十四年度税制改正与党大綱、これは与党三党で出した中、また、ことし一月の閣議決定「構造改革と経済財政の中期展望」、この両方の中で同じ表現で「平成十五年度税制改正を目途にその導入を図る。」というふうに明記をされております。  

ただ、昨年末の議論を見ていますと、その議論の中にはいろいろな意見を持った方がいて、全面的に賛成する方もいれば、あるいは、理念的には賛成ではあるけれども時期的にどうかという議論をする方もいらっしゃいました。また、内容に関して、その課税基準等に関しての異論を言われる方もございましたし、全面的に反対という方もございました。  

こういういろいろな議論がある中で、ただ、今言いましたように、しっかりと十五年度というのが明記をされている。これについてどのように大臣としては取り組んでいかれるのか、そこを伺いたいと思います。

片山
国務大臣
法人事業税の外形標準課税化というのは、これもまた古くて新しい問題で、毎年税制改正では議論されているわけでありますが、我々の考え方は、今の日本の税制の中で、やはり税の空洞化と言われていますよね、いわゆる税の空洞化。納める人が少なくなっているのです。法人税も法人事業税も七割が非課税なんですよ、三割しか納めていないのですね。それでは所得税や住民税の方はどうかというと、これは四分の一ぐらい、二割から三割ぐらいが納めていない。だから、広く薄く、やはり国民としては、憲法にも納税の義務というのを書いていますしね、広く薄くと。  

法人事業税の外形標準課税化というのはまさに広く薄くなので、一番問題は、赤字法人まで課税されるということへの反対ですね。今七割は赤字ですから法人事業税を払っていないのが、わずかでも、しかし課税される、増税だ、こういうことなんですが、外形標準としては、全体としては税収中立なんですね。だから、今三割の方が全部背負っているものを、全体で広く薄く、こういうことでございます。  

こうしますと、私は、地方税は応益課税だ、国は応能課税、国税は応能、地方税は応益だ、こう思っておりますから、受益と負担の関係がはっきりしますし、地方からサービスを受けながら税を納めていない企業等も納めてもらうわけですから公平ですし、それから外形ですから、税そのものが安定してきます。  

そういう意味で、ぜひ推進したいと思いますけれども、谷本委員が言われましたように、いろいろな反対がございまして、これをどうやって説得していくかということにこれから努力していかなければならないと思いますし、自治税務局には、できるだけ反対のところといろいろな話し合いをして納得してもらうように、今私からもお願いしております。
谷本委員

わかりました。  

では、時間がありませんので二つまとめて、反対論の中にある懸念として二問まとめて聞かせていただきますが、外形標準課税の中の課税標準に付加価値割というのがあって、その中に賃金課税というのが含まれている。これに対して、ただでも雇用が厳しい中で、雇用情勢に悪影響を与えるんではないかというのが一点、批判があります。  

それと、先ほども、今大臣みずから言われましたが、赤字法人というものにも課税がされる。この場合に、やはり経済基盤の弱い小規模な法人、あるいはこれから立ち上げていこうという新しい企業、ベンチャー企業等にとっては重い負担になるんではないか、ある意味で新規産業を抑えてしまう側面があるんではないか、こういう心配の声もあります。  この二点について、どのように考えられているか、お答えを願いたいと思います。

瀧野
政府参考人
お答えいたします。  
まず、外形標準課税を導入した場合の雇用の影響でございます。  

御指摘のように、外形標準課税の基準の一つといたしまして付加価値額というものを私どもの案として出しておるわけでございます。この付加価値額は、企業の活動規模を全体としてとらえていこうという考え方のものでございまして、給与そのものに課税するというものではないわけでございまして、仮に給与を削減して給与対象分を減らしましても、単年度の損益がふえる、そういう関係にございますものですから、給与についての削減ということによって付加価値額が変わってくるわけではないという意味で、雇用との関係というのは直接の関係はないというふうに考えております。  

しかしながら、いろいろな御意見があるわけでございますので、我々といたしましては、外形基準といたしまして、付加価値額のほかに資本等の金額というものを補完的に用いまして、全体の中に占めます給与の割合を大幅に引き下げるというようなことで一定の対応をいたしまして、雇用に対する懸念ということに配慮を行っているところでございます。  

もう一点、創業期のベンチャーあるいは中小企業に対する考え方でございますが、基本的には、外形標準課税導入の趣旨というのは、大臣からも申し上げましたように、薄く広く公平に税負担を求めていきたいということでございます。  

ただ、御指摘のように、経営基盤の脆弱な小規模法人とか創業期のベンチャー企業などにつきましては、その担税力につきましても配慮することが必要であるというふうに考えますので、まず、資本金一千万円未満の小規模の法人に対しましては、外形標準にかえまして定額で年四万八千円というような課税を選択できることにしたい。

それから二つ目といたしまして、創業期のベンチャー企業に対しましては、最大六年間の徴収猶予が受けられるということで、その立ち上げを応援していきたいというようなことを考えておるところでございます。  

また、外形標準課税の実施の当初三年間は外形基準の導入割合を四分の一に低めていくというようなこともいたしまして、急激な税負担の変動が生じないように配慮していきたいというふうに考えているところでございます。
谷本委員

ありがとうございました。これで質問を終わります。

 

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