| 国会通信 by 谷本たつや 2001.9.27(第9号)
テロ:21世紀型戦争をめぐる状況
本日9月27日、第153回国会(臨時国会)が開会した。会期は12月7日までの
72日間。当初は、「経済問題」に議論が集中すると思われていたが、9月11日に
起きた米国における同時多発テロ事件により事態は一変し、この無差別大量殺人
行為に対してわが国がどのように対応していくかが大きな焦点となった。
20世紀の戦争は、ある意味では分かりやすい「国家対国家」の争いであった。
しかし21世紀においては、「国家対国家ではない集団」の戦争というものが可能に
なった。それが今回のような大規模テロリズムである。皮肉なことに、科学技術が
発展し情報通信が高度化したことにより、資金と少数の部隊があれば、超大国と
でも戦えるようになったのである。今回の旅客機を使うという手段は予想外のもので
あったが、今後「細菌兵器」「核兵器」の使用の可能性も否定できない状態にある。
「国家ではない集団」にはいろいろなものが考えられる。宗教的なもの、民族的な
もの、あるいは単にお金が目的の犯罪者グループということもある。
テロが起きることがあらかじめ分かっていれば、金融市場や株式市場において膨大な
利益を得ることが可能だからだ。今回の事件においても、この点は指摘されている。
21世紀を生きる我々は、このような新しい形態の「戦争」に対して、それを防ぐために
何をしていくか、そして実際に起こった時にどのように対応するか、国際的なシステム
作り、ルール作りを急がなければならない。なぜなら、個別に対応していると、それが
大規模な戦争に発展したり、あるいは逆に戦争を誘発するためにテロを行なったりと
いう事態が起こり得るからである。
今回の事件において米国はその能力があるにもかかわらず単独行動はしていない。
「報復」という言葉も使っていない。国内世論をまとめ、国際世論をまとめ、アラブ諸国
(イラクを除く)の支持も取り付けている。これは、テロを全人類に対する挑戦と捉え、
国際社会全体でこれを根絶すべきという考えに基づいた行動であろう。国際社会が
毅然と一致団結してテロに立ち向かうことが、今後の抑止力となる。このような手続き
過程を早急に国際条約化すべきだと私は思う。
今回のテロ事件は米国で発生した。しかし、多くの日本人が犠牲になっている。
またいつ日本国内で同様のテロが発生するか分からない。テロ事件は「対岸の火事」
ではなく、日本はまさに当事者の一人なのである。
「安全と平和」は唱えているだけで実現するものではない。大変な労力と努力が必要と
される。「一国平和主義」におちいることなく、国際社会の一員として最大限の貢献が
できるよう、ごまかしのない政策議論を進めなければならない。
最後に、「テロはいかなる経緯、いかなる理由があろうとも許されるものではない」
ということを訴えるとともに、犠牲者の皆様に深く哀悼の念を捧げさせて頂きます。
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