| 国会通信 by 谷本たつや 2001.4.12(第7号)
小泉純一郎氏への期待
4月5日午後、清和政策研究会の事務所の一室で、小泉純一郎氏と当選一回目の
国会議員7名が集まり、自民党総裁選についての意見交換が行われた。秋田県の
講演会において事実上の総裁選出馬表明を行う前日のことである。
この時点では、まだ清和研(森派)の中には一部に小泉氏の総裁選出馬について
慎重論があった。最大派閥である橋本派と正面からぶつかることは避けるべきとの
判断からだ。
しかし、まだ当選間もない議員たちの意見は、事前に示し合わせたわけではないが、
全員一致していた。小泉氏が「自由に思っていることを言ってくれ。」と問い掛けたの
に対し、それぞれが堰を切ったように発言した。
「何があっても総裁選に出てください。」
「派閥のために言ってるんじゃありません。これが自民党を立て直すラストチャンス
なんです。」
「失礼な言い方かもしれませんが、勝ち負けじゃないんです。自民党改革の意思を
示さないと、今度こそ完全に国民に見捨てられます。」
一年生議員は、ある意味では国会議員の中で最も国民に近いところにいる。選挙
基盤のしっかりした先輩議員に比べて、有権者の反応に敏感である。そこからくる
「危機感」が、小泉氏への強い「出馬要請」になった。
勘違いしないでほしいのは、小泉氏が派閥の会長だから出馬要請をしたわけでは
ないということ。いくら会長でも納得のいく人物でなければ要請はしない。短期間で
はあるが、いくつかの局面での小泉氏の発言や行動を実際に見てきた上での判断
である。筋の通し方、一度言ったことを決して曲げない頑固さ、それが時には、融通
が利きすぎる政治家の間では「変人」と言われるが、今の時代、古いしがらみにがん
じがらめになっている自民党には、こういうリーダーが必要だと心底から思っている。
もう自民党には二つしか選択肢はない。「自民党がつぶれて政治が変わる」か、
「自民党が変わって政治が変わる」かである。「自民党がそのままで政治が変わる」
というのはあり得ない。そして今回の総裁選において、既存の権力構造や利権構造を
壊してでも改革を行うと明言しているのは小泉氏だけだ。後の人たちは現状維持
か、妥協か、先送りである。 自民党は今、傷つきながらでも再浮上の活力を取り戻せ
るか、硬い殻の中にこもって朽ち果てていくかの岐路に立たされている。
そして今回は、党員投票による予備選があり、自民党政治家だけでなく、自民党党員
の意識も問われている。
変化を恐れて衰退するか、再生への険しい道を勇気をもって歩き始めるか、自民党党
員、自民党政治家の中に、まだまだたくさんの「勇気」が残っていることを心から願う。
|