| 国会通信 by 谷本たつや 2003.5.30(第17号)
レガシー・システムをめぐる攻防
すでに誰もが知っている通り、現在の日本は「借金大国」である。2002年末での
借金の残高(長期債務)は、約700兆円で先進国の中では最悪。
このままでは毎年、利子の返済だけで30兆円近くになってしまう。このような状
態の中では、まともな政治家であれば、「あれもします。これもします。」などと言え
る訳もなく、「これは我慢してください。これはもう少し待ってください。」ということに
なる。
しかし、国民に対して我慢を訴える前にしなければならないことがある。それは、今
なお存在する税金の無駄遣いに、まずメスを入れることである。その一つが「レガ
シー(旧式)・システム」である。「レガシー・システム」とは、中央省庁が持つ旧式
の情報処理システムで、41システム存在し、その維持運営に年間7000億円も
の税金が随意契約で使われている。しかも、各省庁に専門家がいないため、業者
に丸投げ状態で、その経費が妥当なものかどうか一度も検証されたことがない。
このため、IT業者は、システムを安値で受注し、2年目からの維持運営費で荒稼ぎ
するという構造が出来上がってしまっている。公共事業が悪者扱いされる陰に隠れ
て、IT予算が第二の公共事業として浪費されているのである。
ベテラン議員が誰も手をつけないこの問題に対して、我々若手議員グループで専門
家を交えて勉強会を続けてきたが、ようやく自民党の中に「レガシー・システム」問
題解決のための強化チームを作るに至った。このチームで、まず年間800億円を
使っている社会保険庁のシステムに対して査察を行ない、さらに他の40のシス
テムに対しても、6月中に改善案を提出させることになっている。
しかしここにきて、この構造を守りたい側の反撃も活発になってきている。あるIT関
連企業などは、この問題が表面化しただけで株価を大幅に下げた。死活問題になる
ということで必死に抵抗し始めているのだ。様々なルートを使って、この問題に取り組
んでいる議員に対し圧力をかけたり、逆に懐柔しようとしたりという動きが目立ち始め
ている。私は若い議員の特権は、長いものに巻かれずに、「悪いものは悪い」と
はっきり言えることだと思っている。「レガシー・システム」についても、最後まで戦い
抜きたいと思っている。
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