| 国会通信 by 谷本たつや 2003.3.26(第16号)
あなたのテレビは映らなくなる・・・地上波デジタル化問題
皆さんは、「地上波放送のデジタル化計画」という言葉を聞いたことがあるだろう
か。「地上波放送」というのは、皆さんが普段見ている一般のテレビ放送のことで、
現在この放送は、「アナログ波」で送信されている。2001年の電波法の改正によ
り、この「アナログ放送」に対して、2003年(今年)に三大都市圏(東京・名古屋・
大阪)で、2006年には全国で「デジタル放送」を平行して開始し、2011年7月
24日には「アナログ放送」を全面的に停止し「デジタル放送」と入れ替えるとい
う計画である。この計画は既に法律で実行することが決定されている。
では「アナログ放送」を停止すると何が起こるか。
一番簡単なことは、あなたが今見ているテレビが映らなくなるということである。
2011年は8年後なので、それまでに買い換えればいいと思われるかもしれないが、
現時点で「地上波デジタル対応」のテレビは一台も売られていない。今年中に売り
出される予定ではあるが高額であり、平行してアナログテレビも売り続けられる。
また、現在売られている「BSデジタル対応」や「CSデジタル対応」のテレビも、「地
上波デジタル」は受信できない。
つまり、今日本に存在する約一億台のテレビと、今後も売られ続ける「アナログ
テレビ」のすべてが、2011年で使えなくなるということである。すべての国民は、
テレビを見るために「デジタルテレビ」に買い換えなくてはならなくなる。そして一番の
問題は、こういう計画が既に実行に移されていることを、ほとんどの国民が知らないこ
とである。民間調査機関の調べでは、この計画を知っているのは国民全体のわずか
11%に過ぎない。この「地上波放送デジタル化計画」は、他にもたくさんの問題点を
抱えている。デジタル化のための放送業界の莫大な投資費用(1兆円)、難視聴地域
対策、アナログ・アナログ変換費用(混信対策1800億円)等々である。
私も総務委員会において、度々この問題について質問に立った。法律制定時には
分からなかった多くの問題点を指摘し、日本に先行してデジタル化を行い様々な困
難に直面している海外の事例を指摘し、国民認知度が低い中でのテレビの強制買
い替えの困難さを指摘してきた。しかし、この国では、一度決まったことを変更する
ことには、非常に大きな抵抗が存在する。
勘違いされては困るのだが、「地上波放送のデジタル化」そのものに反対している
わけではない。今回の計画が余りにも杜撰であり、このままでは必ず失敗して、国
民に迷惑をかけ、無駄な税金が使われると思うから、計画を練り直せと言っている
のである。「地上波放送デジタル化計画」を一時凍結したところで、国民は誰も困ら
ない。急ぐ必要はどこにもないのである。「朝令暮改」と言われようとも、間違いが
分かればすぐに改める姿勢が大事だと考えている。
|