| 国会通信 by 谷本たつや 2002.1.31(第11号)
守るのは国益であって、外務省ではない
外務省がアフガニスタン復興支援会議からNGO(民間活動団体)を排除した
問題をめぐり、外務大臣の更迭、外務事務次官(外務省のトップ)の辞任、
議院運営委員長の辞任が決定した。
小泉総理の苦渋の決断であり、支持する気持ちに変わりはないが、国民の
側から見れば違和感が残ることも事実である。
田中外相は確かに大臣として政策面や発言に問題点があった。外務省との
関係においても機能不全に陥っていた。
しかしながら今回の問題における論点は、
- 外相に相談なく外務省が決めたNGOの排除という判断の是非
- その決定に特定の政治家が介在していたのではとの疑惑
の2点であり、この問題だけで田中外相を更迭するというのであれば、国民の
理解は得にくいであろう。「改革断行」のためのやむを得ぬ選択であったとする
なら、外務省改革を含めた今後の改革の進展をしっかりと国民に見せなけれ
ばならない。
今回の「NGO排除問題」についても、その真相究明のために関係者に証言
させるべきである。関与したとされる議員は、自民党の外交部会において
「NGOは会議に出席させるべきでない」と明言されていた。疑惑があるなら
それを自らの言葉で弁明すべきであろう。
今回のことで私が最も気になるのは、「外務省に逆らう大臣は、省をあげて
抵抗し、その首を取ることが出来る」という悪しき前例になりはしないかという
ことである。官僚は国民から選ばれた人間ではない。政治が決めたことに従う
立場である。自分たちに都合のいい議員は大事にし、都合の悪い大臣が来たら
言うことを聞かないというのであれば、考え方の基本が間違っている。
この決着を受けて、一部外務省の幹部から「これで外務省は守られた」という
発言が当たり前のように出され報道されている。言語道断の発言である。
守るのは国益であって、外務省ではない。この発言からは、何の反省の色も、
自己改革への意識も感じられない。
「このままではいけない」という危機感は、若手政治家の中にはたくさんある。
当然、若手官僚の中にもあるはずである。官僚の世界は、ある意味では政治家
の世界より古いしきたりの厳しいところである。しかし、その壁を勇気を持って
破っていかなければ、日本の国益は失われ続ける。
勇気ある政治家と勇気ある官僚が、改革には必要である。
弔意
岸本光造先生、中西啓介先生、のぞみ保育園園長西本和弘様(後援会
副会長)短期間のうちに3名の方々を失ってしまいました。
心よりご冥福をお祈りいたします。 |
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