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あなたのテレビは映らなくなる

03.3.11

地上波デジタル化問題

皆さんは、「地上波放送のデジタル化計画」という言葉を
聞いたことがあるだろうか。
「地上波放送」というのは、皆さんが普段見ている一般の
テレビ放送のことで、現在この放送は「アナログ波」で送信
されている。
2001年の電波法の改正により、この「アナログ放送」に対
して、2003年(今年)に三大都市圏(東京・名古屋・大阪)
で、2006年には全国で「デジタル放送」を平行して開始し、
2011年7月24日には「アナログ放送」を全面的に停止し
「デジタル放送」と入れ替えるという計画である。
この計画は既に法律で実行することが決定されている。

では「アナログ放送」を停止すると何が起こるか。
一番簡単なことは、あなたが今見ているテレビが映らなくなる
ということである。2011年は8年後なので、それまでに買い
換えればいいと思われるかもしれないが、現時点で「地上波
デジタル対応」のテレビは一台も売られていない。今年中に
売り出される予定ではあるが高額であり、平行してアナログ
テレビも売り続けられる。また、現在売られている「BSデジ
タル対応」や「CSデジタル対応」のテレビも、「地上波デジタ
ル」は受信できない。

つまり、今日本に存在する約一億台のテレビと、今後も売られ
続ける「アナログテレビ」のすべてが、2011年で使えなくなる
ということである。すべての国民は、テレビを見るために「デジタ
ルテレビ」に買い換えなくてはならなくなる。

そして一番の問題は、こういう計画が既に実行に移されている
ことを、ほとんどの国民が知らないことである。民間調査機関の
調べでは、この計画を知っているのは国民全体のわずか11%
に過ぎない。この「地上波放送デジタル化計画」は、他にも多く
の問題点を抱えている。デジタル化のための放送業界の莫大な
投資費用(1兆円)、難視聴地域対策、アナログ・アナログ変換
費用(混信対策1800億円)等々である。

私も総務委員会において、度々この問題について質問に立った。
法律制定時には分からなかった多くの問題点を指摘し、日本に
先行してデジタル化を行い様々な困難に直面している海外の事
例を指摘し、国民認知度が低い中でのテレビの強制買い替えの
困難さを指摘してきた。しかし、この国では、一度決まったことを
変更することには、非常に大きな抵抗が存在する。

勘違いされては困るのだが、「地上波放送のデジタル化」そのも
のに反対しているわけではない。今回の計画が余りにも杜撰で
あり、このままでは必ず失敗して、国民に迷惑をかけ、無駄な税
金が使われると思うから、計画を練り直せと言っているのである。

「地上波放送デジタル化計画」を一時凍結したところで、国民は
誰も困らない。急ぐ必要はどこにもないのである。「朝令暮改」と
言われようとも、間違いが分かればすぐに改める姿勢が大事だ
と考えている。

和歌山新報2003年3月11日 「がんばってます」 掲載

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